虫歯治療

decay

Cavity
虫歯について
本当は怖い虫歯

口腔は、消化管の最前端であり、歯は咀嚼するための一番目の器官です。mishiba_001つまり、しっかりと噛むことで、食べ物の消化を助け、栄養の吸収をよくするのです。歯性病巣感染とは虫歯や歯周病が原因で細菌性の炎症が、遠隔の臓器に二次感染を起こすこというものです。細菌性心内膜炎のほとんどは、口腔内の細菌が原因といわれます。たかが「虫歯」と軽視してしまうと、体全体に大きな影響を及ぼしてしまうことが実際にあるのです。
虫歯、または歯周病と関係が深いと言われる疾患は右記のとおりです。

虫歯とは?

皆様のお口の中には「ミュータンス連鎖球菌」という虫歯を作り出す原因菌たちが存在し、砂糖や甘い物など糖を含んだものを食べたり飲んだりすると、お口の中の虫歯菌(ストレプトコッカス・ミュータンス菌など)が砂糖や甘い物に含まれている糖をエサにしてグルカンという歯垢のもとを作ります。

この歯垢のもとはネバネバしており、お口の中にいる虫歯菌を歯にどんどんくっつけていきます。この歯につけられた細菌の塊が歯垢(プラーク)となります。

歯垢(プラーク)の中では、虫歯菌が糖を発酵(熟成)させて虫歯の原因となる酸を作りだし、歯の表面にある硬いエナメル質など、歯質をどんどん溶かしていきます。

虫歯の原因
●歯 垢(プラーク)

口の中に砂糖などが残っていると、水に溶けない粘着性のグルカンという物質ができます。
グルカンは、ミュータンス菌などが砂糖などを食べることで発生させます。
グルカンは歯にこびりつき、様々な細菌を引き寄せて歯垢を作ります。
歯垢は糖分やでんぷんを分解し、酸を発生させ、歯の表面を溶かします。

●甘い食べ物

ミュータンス菌などの細菌は、糖分を食べ乳酸を発生させます。
乳酸が歯垢の中にたまると、歯のミネラル(カルシウムなど)を溶かします。
甘いものが好きな人は、口内の細菌が活性化します。

●歯の性質

人それぞれ、歯の質や歯並びは異なります。
歯が酸で溶けやすかったり、歯並びが悪く歯垢がたまりやすかったり・・・
これらの要因は、むし歯のリスクを高めます。

●時 間

歯に歯垢がついている時間が長いほど、むし歯になる確率は高くなります。
飲食するたびに歯の表面は酸性になるので、間食が多い人はむし歯になりやすいと言えます。
3食しっかり食べて、なるべく間食しないことが大切です。

虫歯の進行

歯質がどれぐらい溶かされたかによって治療法も変わってきます。 虫歯の進行度合いを下記に示してみました。

| C1:虫歯の初期症状

歯の表面のエナメル質の部分のみ虫歯になっており、歯の表面が白く濁ったり黒く見えている状態で、特に痛みを感じることはありません。

痛みが無くても油断大敵です!早めの治療が必要です!

| C2:象牙質まで進行

虫歯が象牙質(エナメル質のさらに深い部分)にまで進み、歯の表面が黒く見えている状態。

飲食で痛みが伴う事があります。

この象牙質は柔らかいため、虫歯が広がりやすくなります。

| C3:歯髄まで進行

虫歯がどんどん進行して神経(歯髄)にまで達した状態。

ズキズキしたり、大きな穴ができたと感じると思います。

この状態になると神経を抜く治療が必要になってくる可能性が高くなります。

当クリニックでは、この状態でも歯髄の反応に異常がなければ、神経を残す治療法をご提案することがあります。

| C4:虫歯の末期症状

さらに虫歯が進行すると神経が死んでしまい痛みを感じなくなります。

ここまで来ると抜歯をしなければならない場合があります。根っこだけになってしまうと保存できる可能性も非常に低くなってしまうので、少しでも変だなとか違和感がおありでしたら、是非当クリニックを受診してみてください。

虫歯の治療

虫歯治療の基本は虫歯を取り除くということです。基本的には虫歯は自然治癒しないため、虫歯を除去して、歯の代わりになる材料で補うことが必要になります。

虫歯の治療方法はいくつかの種類があります。

どの治療方法を選択するかは、以下の要素を総合的に判断し歯科医は治療方法を決定しています。

虫歯の深さ(上記のC1~C4)
虫歯の範囲
虫歯のある場所(どの歯なのか、歯のどの面なのか)
患者さんの要望
大きく分類すると、C1,C2に対する治療(根の治療が必要ない治療)とC3,C4に対する治療(根の治療が必要な治療)に分けることができます。

根の治療はいわゆる「神経の治療」です。これを根管治療といいます。

Endodontics
根管治療
歯の神経の治療

虫歯が非常に深く進行してしまい、歯の中心部にある、concan_004「歯の神経(図の茶色部)」にまで虫歯菌に侵されてしまうと、歯は痛みで常にズキズキするようになってしまいます。
このような場合は歯の神経を除去する治療を行う必要が出てきます。
この神経をとる治療のことを根管治療と呼びます。

歯の神経の治療はとても複雑

歯の神経は、歯の中心部から、歯の根の先を通って骨の中に入り、脳のほうまで繋がっています。神経をとる治療とは、この歯の中にある神経を全て除去することが理想的なのですが、歯の神経とは、この図の様に非常に複雑なのです!(もちろん単純な場合も多いですが)
神経の根の先は、木の根のように枝分かれしていることがあり、直径1ミリ以下の非常に細いものなので、我々歯科医師が直接除去できるものは主な神経だけで、細い枝は物理的に触ることが出来ない場合もあります。
その場合、触れないところは、洗浄・消毒液で化学的に細菌と神経の残りを洗い流すことでしか対処が出来ません。
実際の治療としては、可能な範囲の神経をしっかり除去し、細菌が入らないようにしてしっかり蓋することで、神経の傷が人間の自然回復力により治癒し、痛みなく噛めるようになれば根管治療が終了という流れになるわけです。

もう1つの根管治療

先ほど説明した神経の治療(根管治療)を行うことで無事痛みが取れるわけですが、神経を取ったはずの歯が数年後また痛んできてしまうことがあります。
さまざまな原因がありますが、そのひとつに歯の中で細菌が増殖し、膿がたまって圧迫されることにより硬いものを噛むと痛んだりしてきます。その際には、歯の根の先に黒い病巣がレントゲンで見えることもあります。これは、一度神経の治療を行った歯(神経が無くなった歯)でも再び根の治療を行わなくてはならない状況になることがあります。この治療もまた根管治療ですが、特に感染根管治療と呼びます。以前に神経の治療をして蓋をした内部に膿がたまっているため、一度その蓋を全て除去し内部の感染歯質の除去と洗浄を行うわけですが、一度目の根管治療同様複雑な部位であるため治療が難しいことも多いです。

私達が行えることは、歯の中の細菌を可能な限り減らすとともに、細菌が悪さを出来ないような環境づくりをすることだけです。その結果、最後は人間の自然回復力により病変が治ってくるという治癒過程を取るしかありません。
根管治療とは「いつも小さな針のような道具で、口の中でゴソゴソずっと突っつかれていて、前回も同じ事をしていたような?いったいこの作業を繰り返し何回やるのだろう??」と、患者さまからすると同じことの繰り返しで不安に感じるかもしれませんが、この作業の繰り返しが根管治療を成功に導いていくので時間がかかりますがしっかりした治療が必要です。

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